数年前、私は香港の高校の40周年同窓会に出席し、世界中から仲間が集まりました。みんなそれぞれ別の道を歩んできましたが、昔話をするとすぐに打ち解け、何十年ものブランクもあっという間に埋まりました。

特に盛り上がったのは卒業アルバムの話です。香港を離れても、何度引越ししても、多くの人が卒業アルバムを手放さなかったのは、小さな宝物のようでした。各自のアルバムを見ながら、さまざまなエピソードを語り合いました。時が経ち、写真や文章は古びていることもありますが、その中に蘇る思い出は決して色あせることはありません。アルバムは、あの頃の仲間と共に過ごした日々や、個人的な記憶だけでなく、その時代全体の空気や雰囲気も呼び起こします。自分だけの思い出を蘇らせるだけでなく、当時の社会や文化、時代の流れ、その時代の空気や流れも感じさせてくれる、かけがえのない宝物のような存在なのです。

卒業は、新たな人生のステージへ進む通過点です。そして、あのころの思い出や記憶をしっかりと記録してくれるのも、やはり卒業アルバムの役割です。卒業までの日々を振り返るとき、その時の出来事や感情が蘇り、今の自分を作り上げた一部だと実感します。